Q |
河合さんは いつ頃から糸を紡いでいるのですか。
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A |
ワシャーね、中学生の時から じいさんの手伝いをしとったデョー もう長いワネー。
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Q |
糸になるまでの工程で一番大事なことは何ですか。
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A |
まず、棉だね。
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Q |
いい棉を見分けるコツは何ですか。
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A |
ウーン こまったな、長年の勘と見分ける眼だろうネ。
ワシの手和紡糸は、棉10kgだと 半分以下の4〜5Kgしか出来ないんだ。 本当にいい棉だけが糸になるんだ。
この仕事もワシラの代で終わってしまうけど、世間の人に本当の棉の良さを解ってもらいたいな。
ワシは、このガラ紡の機械を 何度も改良してやっと完成したんだ。 ガラ紡を発明した臥雲辰致さんの墓参りも何度もしたしネ。
うちの人はネ、夜中でも思いつくと機械を改良していたんですョ(奥様)。
ガラ紡は、くず糸を布にするという 世間の概念を本当に変えたかったんだ。
土屋さん、がんばっておくれ、本当にいい糸を作るデョー。
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Q |
河合さんの手和紡糸は、甘撚りなので 布にするには本当に苦労します。手織りでも かなり熟練した人か、又は、かなり古い織機でないと織れませんからネ。
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A |
そうだネー。今の高速織機では とても無理だネ。それにネ、紡績糸は左撚りだが、ワシの糸は右撚りになるダネ。
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Q |
でも甘撚りの糸だからこそ、空気を含んで 軽くて 冬暖かく 夏は透湿性があって 一年中着ることが出来るんですよネ。
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A |
そのとうりだネ。 皆さんが欲しがっている糸は、綿がもっている柔らかな肌ざわりと 人のぬくもりが伝わるものでなくてはならないでヨー。
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Q |
私は この手和紡糸で織った布を似肖布(あやかりふ)と名付けて販売しておりますが、テーマは “一日を四季に着る”という事です。
日本には四季があり、又、一日のうちでも昼間は暖かくても朝晩は寒いという日もあります。
そんな 日本の気候風土を一言で言い表した 言葉です。
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A |
なるほどネ。ワシの糸は ずいぶんと手間をかけて作っとるデ、一般の紡績の糸と比べてもらやぁ違いがすぐわかるデ、身に付けてもらやぁ もっと良くわかるデ。
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